今何故ピラティスが注目されているのか?

リフォーマーで施術中のピラティス画像

「10回で違いを感じ、20回で見た目が変わり、30回で身体のすべてが変わる」

このフレーズ最近よく目にしませんか? ピラティスの効果を端的に表す言葉としてよく知られています。

ピラティスのスタジオが急に増えてきています。何故今ピラティスなのか? ピラティスとはそもそもどのようなものなのかについて本稿では深掘りします。

現代人の心身を最適化する「5つの恩恵」を与えるピラティスは100年の発展史で進化し続けている

 1. ピラティスは「古典」ではなく「現代科学」

ピラティスは創始者であるジョセフ・ピラティスの哲学を核としながらも、その後100年の時を経て後継者たちが現代の解剖学や運動科学の積極的に取り入れて「発展・進化」し続けているところに本質があります。

創始者のジョセフ・ピラティスはもともと体が弱く、その健康問題が、彼がこの方法を探すきっかけでした。

また、第一次世界大戦中の収容所という厳しい状況で、ケガをした兵士のリハビリに使われたことが、専用の道具(器具)が作られることにも繋がりました。

『自分の健康を取り戻す』ことと『リハビリで人を助ける』という2つの始まり方が、他のフィットネスとは違う、ピラティスへの治療的信頼感を生んでいます。

このような歴史があるからこそ、ピラティスはトップアスリートからリハビリ中の人まで、多くの人に効果があるのです。

ピラティスは、その人(の体)に合わせやすく、体の調子を一番良い状態に戻すために作られた方法なのです。」

 

 2. 【第1章】ピラティスの「発展」:リハビリの原点から、現代の健康科学へ

ピラティスの「動き」に関するルール(原則)は、時代に合わせて変わってきました。

1. 始まり:「6つの古典的原則」

もともと、創始者ジョセフ・ピラティスが決めた6つのルール(呼吸、集中、中心、コントロール、正確さ、流れ)が基本です 。これらは、「どう動くか」という『感覚』や『意識』を大切にする、考え方のようなものでした。  

ニューヨークのスタジオでのピラティス本人

2. 発展:「10の原則」へ

時代が進み、「心と体のつながり」といった、ピラティスが目指すゴールを、もっと分かりやすく伝える必要が出てきました。そこで、「意識(気づき)」や「バランス」といった、心の状態に注目する新しい考え方を付け加えた「10の原則」を提唱するグループが現れました 。  

 

3. 現代:「科学的な原則」へ

一番大きな変化は、体の仕組みや動き方を科学的に分析する「運動科学」の考え方が入ってきたことです 。STOTT PILATES®のような現代的なグループは、もっと安全で、もっと効果が出るようにするため、体の構造(解剖学)に合わせて、ルールをより具体的に分かりやすくしました 。  

例えば、昔の「中心」や「コントロール」といった、少しフワッとしていた感覚的な言葉が、「骨盤の正しい位置」のような、誰でもマネしやすい具体的な「体の使い方」の指示に変わったのです 。  

このように、ピラティスのルールは昔のままではなく、新しい科学の知識も取り入れながら、今も新しくなり続けています。そのおかげで、私たちは「感覚を大事にする昔ながらのスタイル」から、「科学的な理由に基づいた今のスタイル」まで、自分に一番合うものを選べるようになっています。

現在のピラティススタジオ

 3. ピラティス実践することによる5つの恩恵(健康上の効果)

ピラティスが世界中で愛されている理由は、体と心を同時に整えることができるからです。ここでは、その主な恩恵を5つに分けてご紹介します。

1. 姿勢が良くなり、体が引き締まる(コアの強化と姿勢改善)

ピラティスは、「体の中心(コア)」にあるインナーマッスルを鍛えるのが得意です。まるで「天然のコルセット」のように、お腹周りを引き締め、背骨をしっかり支えられるようになります。

  • 猫背反り腰などの姿勢のクセを直し、無理なく良い姿勢を保てるようになります。
  • 過度な筋肉をつけずに、しなやかで引き締まった体型を目指せます。

 

2. 体が柔らかくなり、動きがスムーズになる(柔軟性と可動性の向上)

ピラティスは、ただ体を柔らかくするだけでなく、「動きながら使える柔軟性」を育てます。

  • 硬くなった筋肉をほぐし、特に関節の動く範囲(可動域)を広げます。
  • 背骨を一つひとつ丁寧に動かすことで、しなやかな体の動きを取り戻します。

 

3. ケガをしにくくなり、痛みが和らぐ(怪我の予防とリハビリ効果)

もともとリハビリから生まれたピラティスは、体のバランスを整え、正しい動き方を体に覚えさせることで、関節や靭帯への負担を減らします。

  • 腰痛肩こりといった慢性的な痛みを和らげる効果も期待できます。
  • 自分の体の状態に気づく力が高まり、ケガの予防につながります。

 

4. ストレスが減り、心が穏やかになる(動く瞑想とリラックス効果)

ピラティスは「動く瞑想」とも呼ばれます。呼吸と動きに集中することで、雑念を払い、心を「今、この瞬間」に向けます。

  • 深い呼吸と集中した動きが自律神経を整えリラックス効果を高めます。
  • ストレスホルモンを減らし、心身ともに落ち着いた状態へと導きます。

 

5. 集中力が高まり、自分に自信がつく(精神的な安定と自己肯定感)

体の細かな動きに意識を向ける練習は、脳の集中力を高め、仕事や勉強にも良い影響を与えます。

  • 自分の体をコントロールできるようになる達成感が、自信(自己肯定感)を育てます。
  • 運動によって「幸せホルモン」が分泌され、気分が前向きになります。

まとめ ピラティスでは、体が整うことで心も安定し、心が集中することで体の動きも良くなるという、心と体の良い循環が生まれます。運動のあとにリラックスするのではなく、動いている時間そのものが心を整える時間になるのです。

 

4.ピラティスを実践する2つの方法、マットとマシン

基本の「マットピラティス」

厚手のマットの上で、自分の体重を使って行う基本的なエクササイズです。ボールやバンドなどの小さな道具を使うこともあります。

  • 良い点: 手軽で費用も安く、場所を選ばずにできます。自分の体を自分で支えるため、体をコントロールする力が身につきます。
  • 注意点: 最初に必要な筋力がない初心者には、少し難しいことがあります。マシンのような支えがないため、間違った動きをしたり、強い筋肉ばかりを使ってしまいがちです。

 

専用の「マシンピラティス」

ジョセフ・ピラティスが考案した専用のマシンを使います。マシンについているバネ(スプリング)が、動きを助けたり、負荷をかけたりします。

  • 良い点: マシンが動きをサポートしてくれるので、初心者でも正しいフォームを保ちやすく、鍛えたい筋肉を意識しやすいです。バネの強さを調整できるので、リハビリ中の人からアスリートまで、その人に合わせたトレーニングができます。エクササイズの種類も非常に多く(リフォーマーだけで600種類以上)、全身を効果的に鍛えられます。
  • 注意点: 専用のスタジオに行く必要があり、マットのクラスより料金が高くなることが多いです。
【 主なピラティスマシン】
  • リフォーマー: 一番人気のマシン。動く台(キャリッジ)やバネ、ストラップがついていて、全身を使った動きに適しています。

リフォーマー

  • キャデラック: ベッドのような形に、色々なバーやバネがついています。リハビリやストレッチ、高度な動きまで幅広く使えます。

キャデラックの写真

  • チェア(ワンダチェア): 箱型の小さなマシンで、バネ付きのペダルがあります。バランス感覚や下半身を鍛えるのに効果的です。

ワンダチェアの写真

  • バレル: アーチ型(かまぼこ型)のマシンで、背骨をしなやかに動かしたり、柔軟性を高めるために使います。

ラダーバレルの写真


 

初心者にはマシンがおすすめ

多くの専門家は、全くの初心者こそ、まずはマシンピラティスから始めることを勧めています。一見、難しそうに感じるかもしれませんが、実は逆なのです。

マットピラティスでは、初心者が重力に逆らって自分の体を支えながら、新しい動きを覚えるのは大変です。そのため、つい使い慣れた強い筋肉ばかりを使ってしまい、間違った動き(代償動作)になりがちです。

マシンピラティスなら、バネが動きを「補助」してくれます。

負荷を軽くすることで、無理なく正しいフォームに集中でき、本当に鍛えたい「インナーマッスル」を使っている感覚をつかみやすくなります。マシンが、体に正しい動き方を教えてくれる「先生」のような役割を果たしてくれるのです。

最初に数回でもマシンのレッスンを受けることで、正しい体の使い方の基礎ができ、その後のマットでのエクササイズも、より安全で効果的に行えるようになります。